- 小さい文字の注記を先に読む。本文との落差がそのまま実態とのずれ。
- ビフォーアフターは、2枚の姿勢と照明が揃っているかを最初に見る。
- 派手な断定が並ぶ広告は、効果が高いのではなく表現の線を越えている可能性がある。
広告表現を読めると、選択が変わる
美容・健康・ダイエットの分野は、広告表現の工夫が最も蓄積している領域のひとつです。嘘は書けないので、嘘にならない範囲で強く見せる技術が発達しています。仕組みを知っておくと、同じ広告を見ても読み取れる情報が変わります。
打消し表示
大きな文字で効果を書き、小さな文字で条件を書く形式です。「※個人の感想です」「※食事管理を併用した場合」「※3か月間、週3回通った場合」といった注記がこれにあたります。
注記そのものは誠実な表示でもあります。問題は本文と注記の落差で、注記を読んで初めて条件が分かる場合、本文の印象は実態とずれています。広告を見たら、まず小さい文字を先に読んでください。
体験談とビフォーアフター
体験談は「その人に起きたこと」であって、平均的な結果ではありません。掲載されるのは当然ながら成果の出た人であり、出なかった人は掲載されません。これは選択バイアスと呼ばれるもので、意図的でなくても必ず起こります。
ビフォーアフターの写真では、次の点が結果と無関係に見え方を変えます。
- 姿勢(骨盤の角度、肩の位置)
- 照明の向き(上からの光は陰影を強くします)
- 撮影時間(起床直後と夕方では腹部の見え方が違います)
- 日焼け・着衣・撮影距離
写真を見るときは、2枚の姿勢と照明が揃っているかを最初に見てください。揃っていなければ、比較として成立していません。
数字の作り方
「満足度98%」のような数字は、誰に、いつ、何人に聞いたかで意味がまったく変わります。継続中の会員だけに聞けば、辞めた人の評価は入りません。
確認できるとよいのは、調査対象・回答数・調査時期の3点です。書かれていない場合、その数字は比較には使えません。書かれていること自体が、その事業者の姿勢を表します。
言えないことが書いてある場合
日本では、健康食品や施術の広告で「痩せる」「治る」といった表現には制限があります。景品表示法や薬機法の考え方によるもので、効果を断定する表現は原則として使えません。
そのため、真面目な事業者ほど表現が慎重になり、結果として「地味に見える」という逆転が起こります。派手な断定が並んでいる広告は、効果が高いのではなく、表現の線を越えている可能性があると考えたほうが安全です。
確認のためのチェックリスト
- 小さい文字の注記を先に読んだか。
- ビフォーアフターの姿勢と照明が揃っているか。
- 数字に調査対象・回答数・時期が書かれているか。
- 効果を断定する表現が使われていないか。
- 「向かない人」について何か書かれているか。
最後の項目は、意外に効きます。すべての人に向くサービスは存在しないので、向かない人を書いていない案内は、書けない事情があるか、考えていないかのどちらかです。
よくある質問
「※個人の感想です」はどう読めばよいですか?
本文の効果が、その人に起きたことであって平均的な結果ではないという意味です。注記自体は誠実な表示でもあります。問題は本文と注記の落差なので、注記を先に読んでから本文を見てください。
ビフォーアフター写真のどこを見ればよいですか?
2枚の姿勢(骨盤の角度、肩の位置)と照明の向きが揃っているかを最初に見てください。揃っていなければ比較として成立していません。撮影時間、日焼け、着衣、撮影距離も見え方を変えます。
「満足度98%」という数字は信用できますか?
調査対象・回答数・調査時期の3点が書かれていなければ、比較には使えません。継続中の会員だけに聞けば、辞めた人の評価は入りません。
効果を断定している広告は信用できますか?
日本では健康食品や施術の広告で「痩せる」「治る」といった断定表現に制限があります。真面目な事業者ほど表現が慎重になるため、派手な断定は効果の高さではなく、表現の線を越えている可能性を示します。
良い案内と悪い案内をどう見分けますか?
「向かない人」について書かれているかが有効な手がかりです。すべての人に向くサービスは存在しないので、書いていない案内は、書けない事情があるか考えていないかのどちらかです。