- 6試験6,344人の統合でけがの危険が30%減(相対危険0.70)。出版バイアスは検出されず。
- 子ども3,895人・4か国の試験では48%減。重症は74%減、下肢は55%減。
- 反証。米国の高校14校3,611人では差が出なかった(1.59 対 1.47件/1000回、P=.771)。
- 週2回以上やった群はハムストリング傷害が78%減、週1回未満と比べて。実施率が分かれ目。
- 大規模試験ほど効果が小さい(500人未満 0.33 対 1,000人以上 0.73)。旧版FIFA 11は無効だった。
よく言われていること——運動前にウォームアップをすれば、けがを防げる。
研究が示していること——構造化されたプログラムなら、けがは30〜50%減る。ただし実際に週2回以上やった場合に限る。米国の高校14校で試した研究では、差が出なかった。
ウォームアップで、けがは本当に減るのか?
この問いは、ここ20年でかなりはっきり答えが出た領域です。ただし「ウォームアップ」という言葉が指すものを、限定する必要があります。
研究で検証されてきたのは、神経筋トレーニングを含む構造化されたプログラムです。代表例がFIFA 11+という、サッカー向けに作られた15〜20分のプログラムです。走り方、筋力、バランス、着地の仕方といった要素が、決まった順序で組まれています。
軽く走ってから体を回す、という一般的なウォームアップとは別物です。研究が支持しているのは前者であって、後者ではありません。
サッカーの6つの無作為化比較試験(6,344人)を統合した分析では、けがの危険が30%減りました(相対危険 0.70、95%信頼区間 0.52〜0.93)。出版バイアスは検出されていません(Sadigursky ら, 2017, BMC Sports Science, Medicine and Rehabilitation)。
12の研究を検討した別のレビューでは、減少幅は30〜70%と報告されています(Barengo ら, 2014, IJERPH)。
どれくらい減るのか、具体的な数字
個別の試験を並べると、幅が見えてきます。
| 対象 | 結果 |
|---|---|
| 子ども(7〜13歳)3,895人・4か国(Rössler ら, 2017, Sports Medicine) | 全体で48%減(ハザード比 0.52)。重症は74%減、下肢は55%減 |
| 子ども(7〜13歳)780人(Bizzini ら, 2022, Sports Health) | 1,000時間あたり 0.85件 対 2.01件。57%減 |
| 男子ユース416人・ナイジェリア(Owoeye ら, 2014, J Sports Sci Med) | 全体41%減、下肢48%減 |
| 成人626人・ルワンダ(Nuhu ら, 2021, PLoS ONE) | けがをした選手の割合 52% 対 63%。中等症55%減、重症71%減 |
| 大学男子サッカー(Silvers-Granelli ら, 2017, Clin Orthop Relat Res) | 膝のけが 相対危険 0.42。前十字靭帯損傷は 0.236(1件防ぐのに必要な人数 70人) |
| 大学男子サッカー・ハムストリング(Silvers-Granelli ら, 2024, BJSM) | 63%減(相対危険 0.37) |
| ゴールキーパー726人・上肢(Al Attar ら, 2021, Am J Sports Med) | 68%減(発生率比 0.32) |
数字としてはかなり大きい部類です。運動に関する介入で、30〜60%の減少が繰り返し確認されるものは多くありません。
ただし、注意が要ります。「前十字靭帯損傷を1件防ぐのに必要な人数は70人」という数字は、もともとの発生率が低いことを意味します。相対的な減少幅が大きくても、一人ひとりにとっての絶対的な恩恵は、それほど大きくない場合があります。
効かなかった試験もある
ここが重要です。うまくいかなかった研究が、きちんと報告されています。
2019年、米国の高校14校(3,611人)を無作為に割り付けた研究の結果です(Slauterbeck ら, 2019, Am J Sports Med)。
| FIFA 11+ 群 | 通常のウォームアップ群 | |
|---|---|---|
| 下肢のけが | 196件/1,825人 | 172件/1,786人 |
| 1,000回の参加あたり | 1.59件 | 1.47件(P = .771) |
差はありませんでした。むしろ数字の上ではプログラム群のほうがわずかに多いくらいです。
ただし、この研究には続きがあります。
コーチの62%が「チームは週1回以上、プログラムを完全に実施した」と報告。
週2回以上と報告したのは、32%だけでした。
著者らの結論は「コーチが報告した、週2回以上プログラムを実施する遵守度は低かった」というものです。
分かれ目は「やったかどうか」
この分野の所見は、ほぼ一つの点に収束します。実施率です。
大学男子サッカーのハムストリング傷害を扱った研究では、遵守度で分けた比較が行われています(Silvers-Granelli ら, 2024, BJSM)。
| 実施の頻度 | 低遵守群と比べたハムストリング傷害の危険 |
|---|---|
| 高遵守(平均して週2回以上) | 78%減(相対危険 0.22) |
| 中遵守(平均して週1〜2回) | 67%減(相対危険 0.33) |
| 低遵守(平均して週1回未満) | 基準 |
高遵守と中遵守のあいだには、有意差がありませんでした。週1回でも効いており、週2回でさらに効く、という形です。
カナダの女子ユースを対象とした研究でも、プログラムを高い頻度で実施した選手では、けがの発生率比が 0.28 でした(Steffen ら, 2013, BJSM)。
同じ研究には、実務的に重い所見があります。コーチへの伝え方——ウェブのみ、講習会、現場での指導つき——を変えても、選手のパフォーマンスへの影響はごくわずかでした。変えたのは伝え方ではなく、選手が実際にやったかどうかでした。
子どもを対象とした多国間の研究も、「けがの発生率は、遵守度が上がるほど低下した」と報告し、「予防効果を得るには最低でも週1回、さらに利益を増やすには週2回を推奨できる」と結論しています(Rössler ら, 2017, Sports Medicine)。
つまり、こういうことです。プログラムの内容についての証拠はかなり揃っています。足りていないのは「どうすれば続くか」の部分です。効果研究の数に比べて、実施を定着させる方法の研究は明らかに少ないままです。
対象とプログラムによって、結果が変わる
2025年、足関節のけがに絞って9つの無作為化比較試験(11,687人)を統合した分析があります(Gu ら, 2025, Foot and Ankle Surgery)。
全体では38%減(相対危険 0.62)。ただし下位分析で、いくつかの重要な違いが出ました。
| 区分 | 相対危険 | 判定 |
|---|---|---|
| FIFA 11+ | 0.57 | 有意 |
| FIFA 11+ Kids | 0.56 | 有意 |
| FIFA 11(旧版) | 0.94 | 効果なし |
| 男性 | 0.56 | 44%減 |
| 女性 | 0.87 | 有意でない |
| 小規模試験(500人未満) | 0.33 | 大きい |
| 大規模試験(1,000人以上) | 0.73 | 小さい |
著者らは、この違いを「生物学的な性別というより、プログラムの版の違いを主に反映している(FIFA 11は無効)」と整理しつつ、「女性特有のデータが不足しており、大規模試験では効果が減弱している」と明記しています。
最後の2行が、この記事で最も注意すべき部分です。研究の規模が大きくなるほど効果が小さくなる——これは小規模研究効果と呼ばれる現象で、実際の効果が報告値より小さい可能性を示します。
同じ足関節を扱った別の統合(3試験・3,833人)では 33%減(相対危険 0.67)で、証拠の確実性は「中程度」と評価されました(Eser ら, 2025, Muscles)。
異質性の大きさも指摘されています。5試験(2,025人)を統合した分析ではI² = 88.98%という非常に高い異質性が報告され、メタ回帰では効果量を予測する有意な要因が見つかりませんでした(Zarei ら, 2026, Am J Sports Med)。
何分やればよいのか、いつやるのか
実務でいちばん知りたいのは、ここでしょう。ところが、この部分の証拠は意外に薄いままです。
足関節のけがを扱った統合分析では、訓練の条件で下位分析が行われました(Gu ら, 2025, Foot and Ankle Surgery)。
| 条件 | 効果の違い |
|---|---|
| 実施頻度(週1〜2回 対 週2回超) | 有意差なし(P = 0.91) |
| 介入期間(20〜26週 対 27週以上) | 有意差なし(P = 0.09) |
つまり「もっと頻繁に、もっと長く」が効果を高めるという証拠は、この分析からは出ていません。
一方で、遵守度で分けた比較では週2回以上が有利でした(Silvers-Granelli ら, 2024, BJSM)。この2つは矛盾しているように見えますが、測っているものが違います。
「プログラムが週何回に設計されていたか」と「選手が実際に週何回やったか」は別の変数です。
前者では差が出ず、後者では差が出ました。設計の問題ではなく、実行の問題だということです。
時間については、FIFA 11+ は15〜20分で設計されています。ただしこの時間配分そのものを比較した試験は、見当たりません。「20分が最適だから20分なのか」「20分で設計されたから20分で検証されているのか」は、区別されていません。
内容を変えると、どうなるか
イラン2部リーグの3チームで、標準版とサッカー特異的な種目を加えた修正版、通常のウォームアップを比較した試験があります(Asgari ら, 2022, PLoS ONE)。
けがの発生率は群間で有意に異なり、修正版が最も低い発生率でした。敏捷性とドリブル速度でも、修正版が最大の改善を示しています。
ただし1群あたり29〜31人という小さな試験で、著者ら自身が「より大きな標本での追加研究が必要である」と書いています。「改造したほうが良い」と結論するには早すぎます。
ストレッチとは、何が違うのか
「ウォームアップ」と聞いて多くの人が思い浮かべるのは、静的ストレッチ(同じ姿勢で伸ばし続ける)でしょう。研究が支持しているのは、そちらではありません。
検証されているプログラムの中身は、次のような要素です。
| 要素 | 内容 |
|---|---|
| 走り方の練習 | 直線走、方向転換、跳躍からの着地 |
| 筋力 | ハムストリング、体幹、股関節 |
| バランス | 片脚立ち、不安定な姿勢での保持 |
| 着地とカッティング | 膝が内側に入らない動きの反復 |
効果の経路として挙げられているのは、神経筋の制御、体幹と股関節の安定性、エキセントリックな筋力、そして動的な下肢のアライメントです(Patel ら, 2025, Cureus)。
実際、8週間のプログラムを行った青年選手では、女子で膝の外反(膝が内側に入る動き)が改善し、男女とも関節位置覚が改善しました(Seyedi ら, 2023, Scientific Reports)。
つまり効いているのは「温めること」や「伸ばすこと」ではなく、「危ない動きを正しくやり直す練習」だと考えられています。ストレッチの記事で扱ったとおり、静的ストレッチ単独では傷害予防の証拠は弱いままです。
パフォーマンスは落ちないのか
ウォームアップに15〜20分かけることへの懸念として、「その分、疲れてパフォーマンスが落ちるのではないか」があります。
30週間にわたって実施した14〜16歳の男子選手82人の比較では、次の結果でした(Zarei ら, 2018, Journal of Sports Sciences)。
| 指標 | 対照群と比べた差 |
|---|---|
| 垂直跳びの高さ | +7.5% |
| 15秒連続跳躍テスト | +7.2% |
| 敏捷性テスト(Illinois) | −2.6%(=速い) |
| 9.1m 走 | −3.1%(有益の可能性) |
| ドリブルテスト | +2.8%(=遅い。対照群に有利な「有害の可能性」) |
著者らは「通常のウォームアップで見られるドリブル能力の向上を得るには、プログラムに加えてドリブルの練習を足すとよい」と提案しています。
プログラムで置き換えると、そのぶん失われる練習があるということです。
なぜ「温める」では足りないのか
ウォームアップという言葉は、文字どおり「温める」という意味です。体温を上げれば筋の粘性が下がり、神経の伝導が速くなる——これ自体は生理学的に確かめられています。
しかしその生理学的な変化が、けがの減少につながるかどうかは、別の問題です。
この記事で挙げた試験は、すべて「通常のウォームアップ」を対照群としています。対照群も走り、体を回し、体温を上げています。それでも差が出たということは、差を生んだのは温度ではないということです。
差を生んだ要素として挙げられているのは、神経筋の制御、体幹と股関節の安定性、エキセントリックな筋力、そして着地とカッティングでの動的アライメントです(Patel ら, 2025, Cureus)。
いずれも「温度」ではなく「動作の質」に関わるものです。
つまり、構造化プログラムはウォームアップの時間枠を使って、神経筋トレーニングを行っていると理解するのが正確です。「ウォームアップの改良版」ではなく「ウォームアップの時間に別のことをしている」のです。
この理解は実務的にも意味があります。時間がないときに省略されるのは、たいていこの部分だからです。「温まったからもう十分」という判断は、効いている部分を丸ごと落とすことになります。
では、どうすればよいのか
ここまでの内容を、実務に落とします。
| 研究で分かっていること | 実務上の意味 |
|---|---|
| 構造化プログラムでけがが30〜50%減る | 軽いジョギングと回旋だけでは、証拠の対象外 |
| 週2回以上で78%減、週1回未満では効果が乏しい | やる回数がすべて。完璧さより頻度 |
| 米国高校14校では差が出なかった。週2回以上は32%のみ | 「導入した」と「実施している」は別 |
| 大規模試験ほど効果が小さい | 期待値は報告値より低めに見積もる |
| 旧版(FIFA 11)は無効だった | プログラムの中身が変われば、効果も変わる |
| ドリブル能力は対照群のほうが良かった | 置き換えると失うものがある。足し算で考える |
競技をしていない一般の人にとっては、次のように読むのが妥当です。
- けが予防が目的なら、「温める」より「動きの練習」。片脚立ち、着地、方向転換といった要素が中心です。
- 週2回以上できる量にする。20分を週1回より、10分を週2回のほうが、この分野の証拠には合っています。
- ジムのプログラムに組み込まれているなら、それが最も続きます。個人の意思に頼る設計は、この分野で繰り返し失敗しています。
競技をしていない人には、当てはまるのか
ここまでの研究は、ほぼすべてサッカー選手が対象です。ジムに通う人、散歩をする人、デスクワーク中心の人に、そのまま当てはめることはできません。
それでも、いくつかの点は移せそうです。
| 移しやすい部分 | 理由 |
|---|---|
| バランスと片脚の安定性 | 高遵守群で機能的バランスが有意に改善しています(Steffen ら, 2013)。転倒予防の文脈とも重なります |
| 着地と方向転換の練習 | 膝の外反と関節位置覚の改善が確認されています(Seyedi ら, 2023) |
| エキセントリックな筋力 | ハムストリング傷害の減少と結びついている経路です(Patel ら, 2025) |
| 移しにくい部分 | 理由 |
|---|---|
| 「30〜50%減」という数字 | もとになっているのは、サッカーの試合と練習での傷害発生率です。日常生活での転倒やぎっくり腰とは、発生の仕組みが違います |
| 週2回という頻度 | 週に何度も競技練習がある前提で設計されています |
| プログラムの構成 | カッティングやジャンプ着地は、競技特有の動作です |
この記事が一般の読者に言えるのは、次の1点に近いところまでです。
けがを減らしたいなら、「温めること」ではなく「動きの質を練習すること」に時間を使うほうが、証拠に合っています。そしてその練習は、週2回できる量にとどめたほうが、実際には効きます。
「70人に1人」を、どう受け止めるか
上で触れた「1件のけがを防ぐのに必要な人数(NNT)」という指標について、少し丁寧に書いておきます。相対的な減少幅よりも、この数字のほうが実感に近いからです。
前十字靭帯損傷の NNT は70人でした。これは「70人がワンシーズン、そのプログラムを続けて、ようやく1件の靭帯損傷が防がれる」という意味です。残りの69人にとっては、少なくともその傷害に関しては、何も起きていません。
| 読み方 | 同じ事実の別の言い方 |
|---|---|
| 相対リスク減少 | 「前十字靭帯損傷が約半分に減る」——大きく聞こえる |
| NNT | 「70人が1シーズン続けて1件減る」——小さく聞こえる |
どちらも同じデータから出ています。広告や普及資料で使われるのは、ほぼ例外なく前者です。
ただし、小さく聞こえることは「やらなくてよい」を意味しません。前十字靭帯損傷は復帰までに数か月から1年を要し、競技継続そのものを断つことがあります。NNTが大きくても、1件あたりの重さが大きければ、やる価値は残ります。逆に、捻挫のように軽い傷害で NNT が大きい場合は、判断が変わりえます。
数字の大きさだけでは決まりません。「何件防げるか」と「1件がどれだけ重いか」を、掛け算で考える必要があります。
利害関係の明示
このサイトは、立川のヨガ・ピラティススタジオ「オンザショア」およびボクササイズのプログラムと同じ運営です。運動施設を運営している側が、運動の効果について書いています。
この記事では、効果が出なかった試験(米国高校14校)、大規模試験ほど効果が小さくなること、女性では有意でなかったこと、置き換えると失われるものがあることを、同じ重さで載せています。都合の良い数字だけを並べていないか、読みながら確かめてください。
この記事の限界
- 紹介した研究は、ほぼすべてサッカー選手が対象です。他の競技や、競技をしていない人への一般化は確かめられていません。
- 「ウォームアップ」一般の効果を示すものではありません。検証されているのは、特定の構造化されたプログラムです。
- 効果量の異質性が非常に大きい研究があります(I² = 88.98%)。平均値が個々のチームに当てはまる保証はありません。
- 大規模試験ほど効果が小さくなる傾向が報告されています。実際の効果は、報告値より小さい可能性があります。
- 女性を対象としたデータが不足しています。足関節の分析では、女性で有意な効果が確認されませんでした。
- 「1件のけがを防ぐのに必要な人数」は、前十字靭帯損傷で70人でした。相対的な減少幅と、個人にとっての恩恵は別の話です。
- この記事は抄録に基づいており、原論文の全文は確認していません。健康・医学に関する記述は一般的な情報提供であり、医学的助言ではありません。痛みや腫れがある場合は医療機関を受診してください。
出典
- Sadigursky, D. ら (2017). The FIFA 11+ injury prevention program for soccer players: a systematic review. BMC Sports Science, Medicine and Rehabilitation. doi:10.1186/s13102-017-0083-z
- Barengo, N. C. ら (2014). The Impact of the FIFA 11+ Training Program on Injury Prevention in Football Players: A Systematic Review. IJERPH. doi:10.3390/ijerph111111986
- Rössler, R. ら (2017). A Multinational Cluster Randomised Controlled Trial to Assess the Efficacy of '11+ Kids'. Sports Medicine. doi:10.1007/s40279-017-0834-8
- Bizzini, M. ら (2022). The FIFA 11+ Kids Injury Prevention Program Reduces Injury Rates Among Male Children Soccer Players. Sports Health. doi:10.1177/19417381221109224
- Owoeye, O. B. A. ら (2014). Efficacy of the FIFA 11+ Warm-Up Programme in Male Youth Football. Journal of Sports Science & Medicine.
- Nuhu, A. ら (2021). Effect of the FIFA 11+ soccer specific warm up programme on the incidence of injuries. PLoS ONE. doi:10.1371/journal.pone.0251839
- 【効果なし】Slauterbeck, J. R. ら (2019). Implementation of the FIFA 11+ Injury Prevention Program by High School Athletic Teams Did Not Reduce Lower Extremity Injuries. The American Journal of Sports Medicine. doi:10.1177/0363546519873270
- Silvers-Granelli, H. J. ら (2017). Does the FIFA 11+ Injury Prevention Program Reduce the Incidence of ACL Injury in Male Soccer Players? Clinical Orthopaedics and Related Research. doi:10.1007/s11999-017-5342-5
- 【遵守度別】Silvers-Granelli, H. J. ら (2024). The 11+ injury prevention programme decreases rate of hamstring strain injuries in male collegiate soccer players. British Journal of Sports Medicine. doi:10.1136/bjsports-2023-107323
- Steffen, K. ら (2013). High adherence to a neuromuscular injury prevention programme (FIFA 11+) improves functional balance and reduces injury risk. British Journal of Sports Medicine. doi:10.1136/bjsports-2012-091886
- Al Attar, W. S. A. ら (2021). The FIFA 11+ Shoulder Injury Prevention Program Was Effective in Reducing Upper Extremity Injuries Among Soccer Goalkeepers. The American Journal of Sports Medicine. doi:10.1177/03635465211021828
- 【版・性別・規模による差】Gu, J. ら (2025). FIFA neuromuscular training programs on ankle injuries in football players: A meta-analysis with emphasis on evidence gaps. Foot and Ankle Surgery. doi:10.1016/j.fas.2025.10.005
- Eser, C. ら (2025). The Impact of the FIFA 11+ Neuromuscular Training Programme on Ankle Injury Reduction in Football Players. Muscles. doi:10.3390/muscles4030030
- Zarei, M. ら (2026). The Effects of Adherence to the FIFA 11+ Program on Injury Risk in Soccer Players. The American Journal of Sports Medicine. doi:10.1177/03635465261434222
- Patel, P. ら (2025). The Impact of the FIFA 11+ Injury Prevention Program on Injury Incidence in Football Athletes. Cureus. doi:10.7759/cureus.100463
- Seyedi, M. ら (2023). Effects of FIFA 11+ warm-up program on kinematics and proprioception in adolescent soccer players. Scientific Reports. doi:10.1038/s41598-023-32774-3
- 【パフォーマンスへの影響】Zarei, M. ら (2018). Long-term effects of the 11+ warm-up injury prevention programme on physical performance in adolescent male football players. Journal of Sports Sciences. doi:10.1080/02640414.2018.1462001
- Asgari, M. ら (2022). Effects of the FIFA 11+ and a modified warm-up programme on injury prevention and performance improvement among youth male football players. PLoS ONE. doi:10.1371/journal.pone.0275545
よくある質問
ウォームアップをすればけがは防げますか?
構造化された神経筋トレーニングのプログラムであれば、サッカーの研究で30〜50%の減少が繰り返し確認されています。ただし軽く走って体を回すだけの一般的なウォームアップについては、同じ証拠はありません。
どれくらいの頻度でやればよいですか?
遵守度で分けた研究では、平均して週2回以上やった群がハムストリング傷害78%減、週1〜2回の群が67%減でした(週1回未満と比べて)。週1回でも効いており、週2回でさらに効くという形です。
ストレッチとは違うのですか?
違います。効果が確認されているプログラムの中身は、走り方の練習、筋力、バランス、着地とカッティングの練習です。静的ストレッチ単独では傷害予防の証拠は弱いままです。
効かなかったという研究はありますか?
あります。米国の高校14校3,611人を無作為に割り付けた研究では、差が出ませんでした。ただしこの研究では、週2回以上プログラムを実施したと報告したコーチは32%だけでした。
競技をしていなくても意味がありますか?
紹介した研究はほぼすべてサッカー選手が対象で、そのまま一般化はできません。移しやすいのはバランス、着地の練習、エキセントリックな筋力の部分です。「30〜50%減」という数字は移せません。