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ベイズ因子は二つの仮説の予測を比べる

ベイズ因子とは、観測されたデータを二つのモデルが予測する程度の比です。支持の方向を添字で確かめ、事前のモデル確率と効果の事前分布を区別します。

定義

ベイズ因子という用語は、観測されたデータを二つのモデルが予測する程度の比を指します。添字を見てどちらを支持するかを確認し、モデルの事前確率と効果に置く事前分布は分けて扱います。仮説が正しい確率そのものではありません。

測り方

比較する仮説、効果量に対する事前分布、データモデルを指定します。事後オッズは事前オッズとベイズ因子の積です。BF10が5でも事前オッズが1対9なら事後オッズは5対9となり、事後確率5/14という仮想計算になります。

判断が変わる六つの場面

比の方向

仮想例:BF10=5という結果を得た。指定したモデル1はモデル0よりデータを5倍予測したという比較。添字と分子分母の定義を確かめます。

事前オッズ

仮想例:仮説1の事前確率が10%だった。BF10=5だけで事後確率83%とはならない。事前モデル確率を確かめます。

事前分布の幅

仮想例:同じ平均でも効果の広い分布と狭い分布を試した。予測していたデータ範囲が変わるため証拠比も変わりうる。分布形と幅の根拠を確かめます。

中立に近い比

仮想例:BF10が1に近かった。両モデルの予測が近く一方への強い証拠ではない。比較する仮説の違いを確かめます。

ゼロへの支持

仮想例:BF01=8と報告された。BF10なら1/8となり方向を取り違えない。ゼロ仮説の範囲を確かめます。

複数モデル

仮想例:二つとも現実に合わないモデルを比較した。相対的に優れたモデルも絶対的に妥当とは限らない。予測診断と第三の仮説を確かめます。

基本の計算と適用条件

二つの仮説の事前オッズを1対1とし、BF10=5という仮想結果を使います。事後オッズは5対1となり、モデル1の事後確率は5/6、約83.3%です。しかし事前オッズ1対9なら、事後オッズは5対9で事後確率は5/14、約35.7%です。同じ証拠比でも、事前モデル確率を含む結論は異なります。

添字の 1 と 0 は、モデル1を分子、モデル0を分母にする方向を示す表記です。BF01はその逆で、同じ比較なら1/5です。どちらが大きいほど何を支持するかを、モデルの定義と一緒に確認します。モデル0が厳密なゼロ効果か、小さい効果の範囲かでも問いが違います。数字だけを強い証拠と紹介しても比較した仮説は分かりません。

対立仮説の事前分布が非常に広いと、多くの可能な効果へ予測を分散します。観測データがその広い分布の一部にしか対応しない場合、周辺尤度は狭い事前分布の場合と違います。結果を見て最も有利な幅を選ぶより、領域知識で幅を説明し、別の妥当な幅で証拠比を比べます。既定値を使った場合も分布の形を記載します。

二つのモデルが両方とも不適切でも、相対的な証拠比は計算できます。モデル1をより支持したことと、データの分布を絶対的によく説明したことを区別します。予測診断や残差、別モデルを調べる手順が必要です。証拠比、効果の推定と区間、予測の適合は別の情報であり、いずれか一つへ全ての役割を持たせないようにします。

この考え方で読める広告

効果ありの証拠が10倍という美容広告

仮想例:効果ありモデルM1と効果なしモデルM0の周辺尤度の比BF10が10とします。事前オッズが1対1なら事後オッズは10対1、M1の事後確率は10/11です。事前オッズが1対9なら事後オッズは10対9で、事後確率は10/19へ変わります。広告の10倍から効果あり確率90%を一意に読み取れません。

BF10とBF01は逆数で、どちらを分子へ置いたかを調べます。効果ありモデルにどの大きさの効果を事前分布として入れたかも必要です。同じデータでも非常に広い事前分布と現実的な範囲の分布では、各モデルがデータをどれほど予測したかが変わります。

広告の証拠の倍率を再現するには、両モデルの式と効果の事前分布が必要です。別の妥当な事前分布で比がどう変わるかも資料に求めます。比較したモデルを結果を見てから選んでいれば、その選択履歴を読むことで、倍率の計算前に置かれた仮定を点検できます。

数値で確かめる

BF10が1を超えるとモデル1側です。Jeffreys系の区切りは10の半整数乗を約3・10・30・100に丸めた目安です。Kass・Raftery(1995)は別の流儀で、約3・20・150を使います。2ln(BF10)はBF10の自然対数を2倍した変換で、2・6・10はそれぞれBF10約2.72・20.09・148.41に対応します。両流儀を同じ区分として混ぜず、使った出典を明記します。境界は便宜的で、効果の重要性や事後確率を決める基準ではありません。

流儀・出典BF10の区切り読み方
Jeffreys系(1961、第3版、§5.2)約3・10・30・100小さい順に支持の強さを段階分け
Kass・Raftery(1995、表2)約3・20・1502ln(BF10)では2・6・10

混同しやすい判断を分ける

多重性

多数のモデルから都合のよい比較を選ぶ問題は、証拠比という名称だけで解決しない。 多重性の解説。

事前登録

比較仮説と事前分布を結果より前に記録すると、事後の選択を区別できる。 事前登録の解説。

感度分析

事前分布の幅や形を変えたときの証拠比の変化を示す。 感度分析の解説。

出典

よくある質問

ベイズ因子とは何ですか

ベイズ因子は、観測データが二つのモデルの下でどの程度予測されていたかを比べる比です。

BF10=10なら効果ありの確率90%ですか

事前オッズによります。1対1なら約91%、1対9なら約53%になり、比だけでは決まりません。

ベイズ因子が1なら効果なしですか

そうとは限りません。比較した二つのモデルへの証拠が中立に近く、データの情報量が足りない場合もあります。

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