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定義
感度分析という用語は、解析の仮定や設定を変えたときに結論がどう動くかを調べる方法を指します。設定を変更する妥当な範囲を明示し、好都合な結果だけを選ぶことは避けます。主解析で固定した仮定のうち、どれを動かしたかを明示して比較します。
測り方
変える仮定、変える範囲、固定する条件を先に定めます。欠測値への仮定、研究の除外基準、重みの切詰め、モデルの形などを一つずつ又は指定した組合せで変え、推定値と区間を並べます。
判断が変わる六つの場面
欠測のずれ
仮想例:欠測者の成績を観測者より0、2、5点低く仮定した。どの程度の悪化仮定で結論が変わるかを調べる。仮定範囲の現実性を確かめます。
研究の除外
仮想例:高いバイアスリスクの研究を外して統合した。対象研究の条件も変わるため数値の動きを説明する。除外基準と残る研究を確かめます。
重みの切詰め
仮想例:極端な重みの上限を変えた。少数の大きな重みへの依存を点検できる。上限ごとの対象と推定値を確かめます。
モデルの選択
仮想例:直線と曲線のモデルを比較した。関数形への依存を調べるが任意に結果を選ばない。選択理由と全結果を確かめます。
転換点
仮想例:未観測の差を増やすとある値で結論が逆転した。結論の転換点を示すと仮定の強さを評価しやすい。反転に必要な差の大きさを確かめます。
共通の限界
仮想例:全解析で同じ未測定の交絡を無視した。結果がそろっても未測定交絡への感度は分からない。検討していない仮定を確かめます。
基本の計算と適用条件
主解析の差が3点という仮想例で、結果欠測者が観測者より何点低いかを変える計画を考えます。ずれ0、2、5点の三条件を置き、各条件で群間の差と区間を計算します。ここで変えるものは未観測値への仮定であり、観測された値や群の定義は固定します。複数の条件を同時に変えるなら、どれを組み合わせたかを表に示します。
一つの仮定を変えて差が3点から2.8点へ動く場合と、3点から−1点へ動く場合では、結論の依存が異なります。有意から非有意へ変わるかだけでなく、推定量の大きさ、符号、本人に重要な差との対応を読みます。別仮定で人数も変わるなら、数値の変化の一部は対象の変化かもしれません。モデルと対象の変更を同じ欄へまとめないようにします。
転換点を調べる場合は、どの程度のずれで判断が変わるかを求めます。そのずれが現実的かを、追跡理由や関連資料と照合します。極端な仮定でも変わらなかったことは、検討した方向への安定性の情報です。未測定交絡を一切変えなかったなら、その問題への安定性は分かりません。何を変えたかと、何を固定したかを併記します。
感度分析のよい結果だけを採用すると、主解析を支える点検ではなく結果の選択になります。主解析を先に明示し、設定ごとの結果を並べます。事後に必要が分かった分析にも役割はありますが、その時点と理由を分けます。結論が変わる場合は失敗とだけ扱わず、判断を左右する情報が何かを特定し、次のデータ収集へつなげます。
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どの解析でも改善したというダイエット広告
仮想例:終了体重が不明な人へ、主解析では観測者と同じ変化を仮定し、感度分析では1kg、2kg、3kg悪い変化を置いたとします。結果がどこでゼロをまたぎ、どこで本人に重要な差を失うかは違う問いです。最も好ましい解析を選ぶのでなく、結論を変える仮定を特定します。
一つの仮定だけを変え、残る対象・尺度・時点を固定すれば、変化の原因を追いやすくなります。複数を同時に変えるなら組合せを事前に指定します。欠測の仮定、重みの切詰め、研究の除外、曲線の形では検討する問題が異なるので、解析名の数だけを頑健さの証拠にできません。
広告に載る感度分析を、主解析から変更した仮定ごとの一覧へ戻します。欠測の仮定を動かした解析だけで、未測定交絡まで検証したと表現していないかを見ます。結論が変わる解析が図から除かれていれば、実施した全ての結果を求めます。
数値で確かめる
観測者の半数が改善した仮想例です。観測されない人を全員非改善とする下限と、全員改善とする上限を示します。未観測の結果に関する範囲であり、信頼区間や未観測者の実測値ではありません。
| 開始人数 | 観測人数 | 観測された改善人数 | 全体の下限 % | 全体の上限 % |
|---|---|---|---|---|
| 100 | 40 | 20 | 20.0 | 80.0 |
| 100 | 60 | 30 | 30.0 | 70.0 |
| 100 | 80 | 40 | 40.0 | 60.0 |
| 100 | 100 | 50 | 50.0 | 50.0 |
混同しやすい判断を分ける
欠測値
欠測の発生過程について、観測されない値への依存を変える設定を明示する。 欠測値の解説。
補完法
補完モデルや未観測者のずれを変更し、不確かさを保持して比較する。 補完法の解説。
傾向スコア
モデル、マッチングの範囲、除外規則への依存を調べる。 傾向スコアの解説。
出典
- Hernán・Robins:Causal Inference: What If
- BMJ・多重補完の可能性と注意点
- National Research Council(2010)The Prevention and Treatment of Missing Data in Clinical Trials
- ICH E9(R1)・推定対象と感度分析
よくある質問
感度分析とは何ですか
感度分析は、解析上の仮定や判断を変えたときに結果がどの程度動くかを調べる方法です。
感度分析が全部有意なら結論は確実ですか
共通の仮定が誤っている可能性は残ります。検討した範囲、効果量の変化、扱わなかった偏りを確認します。
主解析と違う結果が出たら失敗ですか
違いは結論の依存先を示します。どの仮定がどれほど変わると判断が動くかを説明することが目的です。