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定義
計画遵守解析という用語は、あらかじめ定めた介入計画に沿った対象の結果を扱う解析を指します。計画を守った人だけを単純に比べると、選択の偏りが群の間に生じることがあります。計画からの逸脱理由が結果とも関係すれば、遵守者の選択自体に調整が必要です。
測り方
遵守の基準、逸脱を判定する時点、除外人数を事前に定めます。健康状態や参加意欲が遵守と結果の両方へ関わる可能性を検討します。時間とともに変わる遵守への交絡には、適切な因果推論の方法と十分な履歴が必要です。
判断が変わる六つの場面
完了者の抽出
仮想例:体調不良の人を除いて最終評価した。遵守する人の健康状態そのものが結果へ影響しうる。除外理由と割付前の健康を確かめます。
遵守の境界
仮想例:予定10回のうち8回以上を条件にした。境界の前後で人の分類が変わり結果に影響する。事前の回数基準と別基準の感度分析を確かめます。
追加の活動
仮想例:参加者が自主練習も増やした。計画内の介入と計画外の行動が混ざる。自主活動の履歴を確かめます。
経時的な交絡
仮想例:前週の体調が翌週の参加と最終結果へ関わる。単純な最終回数の調整では履歴の構造を扱えない。時点別の体調と参加を確かめます。
非劣性の試験
仮想例:ITTと遵守者解析で結論が違う。介入の混入や選択が各解析へ異なる影響を与えうる。非劣性の余裕と両解析の定義を確かめます。
推定の問い
仮想例:全員が計画どおり参加した場合を知りたい。選ばれた完了者の平均とその反実仮想は区別する。遵守効果の推定に必要な仮定を確かめます。
基本の計算と適用条件
予定10回のうち8回以上を遵守と呼ぶ仮想試験です。開始100人中60人がその条件を満たし、40人は満たさなかったとします。60人の平均は、開始100人が全員10回行った場合の平均ではありません。8回以上来た人を抽出したという事実と、全員が計画どおり行う反実仮想を区別することが、解析の対象を読む出発点になります。
40人の非遵守理由を調べます。勤務時間、体調、負担、転居などが参加を変え、その一部は結果にも影響しうる要因です。遵守者だけを残して、同じ無作為化の二群だから比較可能と決めることはできません。開始時の情報と、参加を決める時点の情報を分けて記録します。介入の影響を受ける体調が次の参加を決める場合には、履歴の扱いが特に重要です。
遵守の境界を8回から7回へ変えると対象が増えます。結果が変わった場合、介入が効いたか否かだけでなく、追加された対象の状態と実施量を比べます。境界を結果に合わせて選ばず、主解析の規則を固定し、別の規則を感度分析として示します。回数のほか、強度や時間の遵守も問うなら、各基準と組合せの判断を先に定義します。
実施遵守の因果効果を推定する高度な方法では、遵守へ関わる共通原因を測り、適切な重みなどを使う場合があります。それでも測れていない原因や比較の可能性に関する条件は残ります。単純な完了者の集計へその方法の名称を付けないようにし、使用したデータ、時点、モデル、除外を示します。ITTと並べるときも、二つが答える問いの違いから読むのが適切です。
試験報告での位置づけ
ランダム化試験の報告では、計画から逸脱した対象の人数と理由、どの条件で解析から除いたかを示します。CONSORTの流れ図と解析集団の説明から、遵守者を選ぶ段階で開始時の釣合いが変わり得たかを検討します。
この考え方で読める広告
8回以上通った人は大きく改善という運動広告
仮想例:10回の計画から8回以上出席した人だけを取り出し、甲の平均改善4点、乙の2点を比べたとします。体調がよい人ほど通いやすいなら、割付後の抽出で比較条件が変わります。全員が8回以上通った場合の因果効果と、実際に通えた人の平均差を同じものとして扱えません。
遵守の条件は回数だけでなく、許容する中断、追加の活動、負荷の変更まで計画へ書きます。前週の体調が次週の参加と最終結果へ影響し、前の参加からも体調が変わるなら、時点別の履歴が必要です。単純に最後の参加回数を回帰へ入れることは、この構造に対応する解析と同じではありません。
広告の遵守基準を、研究開始時の計画書と比べます。結果が良い人だけ残るような事後的な回数設定がないか、除外理由別の人数を読みます。計画の変更があれば日付を求め、変更時点でどの結果が既に知られていたかを確認します。
混同しやすい判断を分ける
割付に基づく解析
同じ試験でも、割付方針と実施遵守では推定したい効果が違う。両解析の結果を単に優劣で並べない。 割付に基づく解析の解説。
交換可能性
遵守者の選択後に比較可能性が保たれるかを、割付前後の条件から検討する。 交換可能性の解説。
因果ダイアグラム
体調が遵守と結果へ関わる経路を時点別に描くと、必要な履歴が明らかになる。 因果ダイアグラムの解説。
出典
- Cochrane Handbook・無作為化試験のバイアス
- Hernán・Robins:Causal Inference: What If
- CONSORT 2025:無作為化試験の報告
- 比較効果研究における効果の識別
- 傾向スコアによる因果推論:注意点
- BMJ・多重補完の可能性と注意点
- Cochrane Handbook・非無作為化研究
よくある質問
計画遵守者の解析とは何ですか
計画遵守者の解析は、指定した介入の実施条件を満たした対象に基づく解析です。
per-protocolは真の効果を表しますか
単純な遵守者限定では保証されません。健康や意欲が遵守と結果へ影響する場合、抽出による交絡が残ります。
遵守回数を後から変えてもよいですか
変更の理由と時期を示す必要があります。結果を見て有利な境界を選ぶと、元の計画の検証とは異なります。