立川の美容・健康・ダイエット情報ガイド数字と広告表現を、宣伝抜きで読み解く

朝食を抜くと太るのか|「朝ごはんで代謝が上がる」広告と試験

309 人の試験では、朝食を食べるか抜くかの勧めで減量に差は出ませんでした。安静時の代謝、短期の体重変化、子どもの追跡研究を分け、朝食習慣だけで太ると断定しない読み方を示します。

朝食を抜くと太るのか|「朝ごはんで代謝が上がる」広告と試験

冬の朝、布団から出るのが遅くなり、朝ごはんを食べずに支度を進めることがあります。そんなときに「朝食を抜くと太る」という広告の言葉を思い出すと、空腹よりも、食べなかったことが気になります。減量のためには朝食を足すべきなのか、いつもの食べ方を変えずにいてよいのかという迷いです。

成人の試験は、朝食を足せば安静時の代謝が上がってやせる、という説明を支持していません。 Betts(2014)では安静時の代謝に変化がなく、Dhurandhar(2014)でも朝食を食べるよう勧めることで減量が進む結果は出ませんでした。一方、普段から食べる人と食べない人を追った調査では、食事以外の暮らしの違いも一緒に比べることになります。広告の根拠を読むときは、朝食を変えて試した結果なのか、もともとの習慣を調べた結果なのかを最初に分けると見通しがよくなります。

朝に食べることを続ける理由は、体重だけに限られません。朝の空腹に応じて食事を用意することと、やせる効果を期待して食事を追加することでは、確かめたい結果も変わります。体重、食べた総量、安静時の代謝、体を動かして使ったエネルギーを区別し、朝食をめぐる研究を順に見ていきます。

「代謝が上がる」の中身を測った試験

「朝ごはんで代謝が上がる」とよく言われますが、代謝という言葉だけでは、測ったものが曖昧です。安静時の代謝は、体を動かさずに休んでいるときに使うエネルギーを指します。これに対し、歩いたり家事をしたりして使うエネルギーは、体の活動に伴うものです。広告が「食べると消費が増える」と説明していたら、どちらを指す数値なのかを読む必要があります。

Betts(2014)は、やせ型の成人を朝食をとる群ととらない群に無作為に分け、日常生活を送りながら比較しました。無作為化比較試験とは、くじ引きのように組を分け、試す条件の違いが結果にどう表れるかを調べる方法です。研究者が食べ方を割り当てるため、最初から朝食の習慣が違う人どうしの比較より、朝食を変えた影響を検討しやすくなります。

Betts(2014)で安静時の代謝が動いた幅は、日あたり 11 kcal 以内でした。その一方で、朝食を食べた群の摂取エネルギーは、食べなかった群より日あたり 539 kcal 多く、体の活動による消費も日あたり 442 kcal 多い結果でした。食べる量と動いて使う量の両方が増えた、という組み合わせです。

この試験では体重と体脂肪にも群の間の差はなく、活動による消費が多かったという結果だけを「やせる効果」と呼ぶと、測定結果の一部が抜け落ちます。休んでいる間の消費が増えたのか、活動の量が変わったのか、体重まで変わったのかを順にたどると、広告の説明がどこまで研究に沿っているかが見えてきます。朝食をとった群で増えた消費は、安静時の代謝ではなく、活動に伴う消費でした。

参加者がやせ型だった点も、研究を読むうえで大切です。減量を希望する体重の多い人に向けた広告なら、その人たちの体重変化を調べた試験まで読む必要があります。代謝の測定は広告の仕組みの説明を点検する助けになり、減量の成否は体重を追った結果で評価します。

朝食を勧めると減量が進むかを比べた結果

Dhurandhar(2014)は、減量を希望する過体重・肥満の成人 309 人を無作為に分けた試験です。朝食を食べるよう勧める群、抜くよう勧める群、対照群の 3 群を設け、16 週にわたって体重の変化を比べました。対照群は、朝食についての勧めを受けた群の結果を評価するための比較相手です。やせ型の人の代謝を詳しく測った試験と違い、こちらは減量したい人への勧めが役立つかを直接扱っています。

Dhurandhar(2014)では、群の間で体重の減り方に明確な差がありませんでした。もともと朝食を食べていたかどうかによっても、減量への影響は変わりませんでした。朝食をとるように言われた人だけが減量で有利になる、という結果は出ていません。食べるように勧める場合にも、抜くように勧める場合にも、体重への上積みは見られなかったのです。

習慣が全く変わらなければ、勧め方を比べても意味が薄くなりますが、この試験では申告された朝食の習慣は変わっていました。Dhurandhar(2014)で、勧めを守ったと答えた割合は、食べる群で 93.6%、抜く群で 92.4% でした。少なくとも参加者の回答では勧めに沿う行動が多かったのに、減量の結果には差がつかなかったということです。

ただし、これは食事を配って内容まで統一した試験ではなく、朝食を食べるかどうかを勧める試験でした。食べたかどうかは自己申告で、献立や量は研究者が管理していません。したがって、読み取る中心は「朝食の有無を勧めるだけでは、減量の成績が変わらなかった」という点にあります。朝食の内容を細かく調整する方法の優劣を決める試験とは、問いの置き方が違います。

実際の広告には、特定の食品を朝に足すことと、生活全体を整えることがまとめて語られる場合があります。その説明をこの試験に照らすなら、朝食の有無への助言と、食事の中身への助言を分けて読むのが筋道です。朝食を食べる習慣になったという変化と、体重がより減ったという変化を、結果の欄でそれぞれ確かめます。

複数の試験では体重に小さな差があった

Sievert(2019)は、朝食を食べる場合と抜く場合を比べた無作為化試験 13 本を集めた系統的レビューとメタ分析です。系統的レビューは決めた条件で研究を集めて評価する方法、メタ分析は複数の研究の結果をまとめて計算する方法です。このうち体重を調べたのは 7 本、摂取エネルギーを調べたのは 10 本でした。集めた試験のすべてが、同じ結果を測っていたわけではありません。

Sievert(2019)の体重の統合結果では、朝食を食べた群のほうが平均 0.44 kg 重く、95%信頼区間は 0.07〜0.82 kg でした。信頼区間は、推定した差にどの程度の幅があるかを示します。差は小さく、朝食を食べた群が軽くなる向きでもありませんでした。個別の試験で差が出なかった結果と、複数の試験をまとめると小さな差が出た結果を、両方残して読むことが大切です。

摂取量についても、朝食を食べれば、その後の食事が減って全体の量が抑えられるという説明とは異なる結果でした。Sievert(2019)では、朝食を食べる群の摂取エネルギーが日あたり平均 259.79 kcal 多く、その推定の幅は 78.87〜440.71 kcal でした。朝に追加した食事が、その日のほかの食事の減少ですべて埋め合わされたわけではない、という読み方になります。

一方、Sievert(2019)に含まれた試験は、どれも結果を偏らせる危険が高いか、評価がはっきりしない点を持っていました。追跡の平均期間も、体重では 7 週、摂取エネルギーでは 2 週と短く、試験どうしの結果にもばらつきがありました。この小さな平均差から、欠食を続ければ長くやせ続けるとは言えません。著者の結論も、減量のために朝食を追加する勧めには慎重さが必要だという方向です。

下の表は、朝食を変えて試した研究を、対象と評価した結果で並べています。代謝を測る試験、勧め方を比べる試験、試験をまとめた分析では、同じ「朝食の研究」でも答えられる範囲が違います。

研究(著者 年) 研究の形 対象と人数 期間 体重・代謝の結果
Betts(2014) 朝食の有無を割り当てた無作為化比較試験 やせ型の成人、小規模 数週間 安静時の代謝はほぼ一定。体重・体脂肪に群間差なし
Dhurandhar(2014) 朝食を食べる・抜く勧めと対照を比較 減量を希望する成人 309 人 16 週 体重の減り方に明確な群間差なし
Sievert(2019) 無作為化試験 13 本のレビューとメタ分析 高所得国の成人、試験ごとに人数が異なる 体重の追跡は平均 7 週 朝食を食べた群が平均 0.44 kg 重い

朝食を抜く人は太るという調査の読み方

普段の朝食習慣と、その後の体重を追いかける研究もあります。こうした観察研究では、研究者が朝食の有無を割り当てず、本人が選んだ食べ方を調べます。朝食を抜く人に別の生活習慣が多ければ、その違いも体重との関係に入り込みます。食べ方を変える試験と調査で結果が違うときは、この出発点を見直します。

Wicherski(2021)は、成人の体重を追った観察研究 9 本を集め、そのうち 5 本をメタ分析に使いました。過体重・肥満の発生との関連をまとめた部分は少数の研究に基づき、BMI の変化をまとめた部分も 2 本でした。BMI は身長に対する体重の大きさを表す指標です。その変化について、朝食を抜く人と食べる人の間には明確な差がありませんでした。

ここでは、集めた論文の本数と、ある結果の計算に使えた本数を区別する必要があります。Wicherski(2021)が示したのは、朝食を抜くことによる体重増加を支える根拠の乏しさでした。朝食習慣には睡眠、飲酒、喫煙などの違いが伴い、それらの影響が残ります。日々の暮らしを背景に持つ調査の結果を、朝食だけを変えたときの効果として読むと、結論が強くなりすぎます。

日本のデータとしては、Yaguchi-Tanaka(2021)が、幼児期の朝食習慣と、その後の過体重・肥満を調べています。2.5 歳で朝食を抜いていたことは、13 歳の男子では過体重・肥満との関連がありましたが、女子では明確な関連がありませんでした。これは成長する子どもを追った研究で、大人の減量には当てはめません。家庭の生活習慣など、測りきれない背景が残る点にも注意が要ります。

子どもの研究があることと、成人の試験で朝食の追加に減量効果がなかったことは、対象を分ければ両立します。対象の年齢、成長の途中かどうか、もともとの体重、研究者が食べ方を変えたかどうかが違うからです。「日本の研究」という親しみやすさだけで選ばず、成人の体重管理への疑問には成人を調べた結果を中心に据えます。

食べ方を変える前に目的と体調を確かめる

ここまでの結果から、朝食を食べたことだけを減量の成功、食べなかったことだけを失敗として扱う必要はありません。朝食を追加するか迷っているなら、まず期待しているのが、朝の空腹を満たすことなのか、体重を減らすことなのかを言葉にします。前者は普段の食べやすさの話、後者は体重への効果を確かめる話です。目的が明確になると、広告の「代謝」という言葉だけで献立を増やす判断を避けやすくなります。

食事を振り返るときには、朝食の有無と一緒に、昼食や夕食、間食の変化も書き留めます。Sievert(2019)では朝食を食べた群の総摂取エネルギーが多く、Betts(2014)でも食べる量と活動による消費の両方が変わりました。朝の皿に載ったものだけでなく、その後も含めた食べ方を見る理由がここにあります。朝食を足した後にほかの食事も増えているなら、「朝だから消費される」と扱わず、全体の量を見直す材料にします。

欠食の試験に参加した成人の結果を、安全性の保証として使うのも適切ではありません。糖尿病の薬を使っている人は、朝食を抜くと低血糖の心配があるため、欠食に変える前に主治医に相談してください。低血糖は血糖が低くなりすぎることです。治療に合わせた食事の指示がある場合は、その指示を土台に朝の食べ方を考えます。

妊娠中や持病による食事管理が必要な人も、減量の試験を理由に食事を抜く判断を急がず、栄養を確保する必要と体調を優先します。また、朝食を抜くとつらい空腹が出たり、食べ方が乱れたりする人に、欠食を押し通す勧めは向きません。食べる場合も抜く場合も、つらさを「やせるために必要なこと」と扱わず、日常を無理なく過ごせるかを判断に含めます。

広告を見たときは、代謝の測定値だけでなく体重の結果まであるか、食事の追加と置き換えのどちらを試したか、対象が自分の状況に近いかを確かめます。もともと朝食を楽しんでいる人が、この研究を理由にやめる必要もありません。朝食への期待と、その日の食事全体、治療上の条件を照らして、続ける食べ方を決めます。

よくある質問

朝食を食べれば昼や夜の食べすぎを防げるのか

朝食でその後の食欲がどれほど変わるかは、食べた総量と一緒に評価する必要があります。Betts(2014)では、その後の食欲の抑え方は限られ、朝食をとる群の総摂取エネルギーは多いままでした。朝食を足しただけで、その日の食事全体が自動的に少なくなると期待する根拠は弱く、昼食や夕食まで含めた食べ方が点検の対象になります。

試験で体重差が小さいなら朝食は無意味なのか

体重差が小さいという結果は、減量目的で朝食を追加する判断についての材料です。朝の空腹に応じて食べることや、食事の時間を楽しむことまで否定する結果ではありません。Dhurandhar(2014)が比べたのも朝食についての勧めによる体重変化であり、朝食をとる理由をすべて評価した試験ではありません。

日本の子どもの研究を家族全員の食べ方に使ってよいか

Yaguchi-Tanaka(2021)が調べたのは、幼児期の欠食と成長後の過体重・肥満との関係です。成人が今の朝食を変えたときの減量効果を試した研究とは対象も目的も異なるため、家族全員に同じ結論を広げるのは適切ではありません。子どもの成長を考える食事の判断と、成人の減量目的の判断を分けて扱います。

朝食の献立によって結果は変わるのか

朝食の中身を考えることと、朝食を食べるかどうかを考えることでは、必要な比較が違います。Dhurandhar(2014)は食事の中身を管理せず、朝食の有無を勧めた試験なので、特定の献立が減量に優れるという答えは出していません。食品の広告にこの試験が挙げられている場合は、その食品自体を比べた結果があるかまで読む必要があります。

この記事の限界

対象は、やせ型の成人、減量を希望する過体重・肥満の成人、成長期の子どもにわかれ、代謝の測定と体重の追跡も異なる研究で行われています。成人の試験は短期間が中心で、Sievert(2019)がまとめた試験には結果を偏らせる危険や、研究どうしのばらつきがありました。個人の治療に合わせた食事の判断には、これらの平均的な結果に加えて、病状や処方内容の検討が必要です。

日本の子どもの調査を含め、朝食習慣を追った研究には、家庭環境やほかの生活習慣の影響が残ります。成人が食事の内容も調整しながら朝食習慣を長く変えたとき、体重や体調にどのような違いが続くかは、今回取り上げた短期試験だけでは十分にわかっていません。

参考文献

  1. Betts JA. The causal role of breakfast in energy balance and health: a randomized controlled trial in lean adults. Am J Clin Nutr 2014;100(2):539-547.
  2. Dhurandhar EJ. The effectiveness of breakfast recommendations on weight loss: a randomized controlled trial. Am J Clin Nutr 2014;100(2):507-513.
  3. Sievert K. Effect of breakfast on weight and energy intake: systematic review and meta-analysis of randomised controlled trials. BMJ 2019;364:l42.
  4. Wicherski J. Association between Breakfast Skipping and Body Weight-A Systematic Review and Meta-Analysis of Observational Longitudinal Studies. Nutrients 2021;13(1):272.
  5. Yaguchi-Tanaka Y. Skipping Breakfast and Subsequent Overweight/Obesity in Children: A Nationwide Prospective Study of 2.5- to 13-year-old Children in Japan. J Epidemiol 2021;31(7):417-425.

広告を疑う目を持ったまま、溶岩の床に立ってみる

  • 向く人: 効果の話を研究の規模と比較の条件で割り引いて聞ける人
  • 向く人: 暑い部屋で体を動かす時間そのものを習慣にしたい人
  • 向かない人: 汗の量や翌朝の体重の減り方で効果を判定したい人
  • 向かない人: 腎臓や心臓の持病で、暑い環境での運動を医師に止められている人

このサイトはオンザショア立川店の運営者が制作しています。立川駅から徒歩1分、溶岩プレートの床で行うホットヨガのスタジオです。

オンザショア立川店のHIIT案内

よくある質問

朝食を食べれば昼や夜の食べすぎを防げるのか

朝食でその後の食欲がどれほど変わるかは、食べた総量と一緒に評価する必要があります。Betts(2014)では、その後の食欲の抑え方は限られ、朝食をとる群の総摂取エネルギーは多いままでした。朝食を足しただけで、その日の食事全体が自動的に少なくなると期待する根拠は弱く、昼食や夕食まで含めた食べ方が点検の対象になります。

試験で体重差が小さいなら朝食は無意味なのか

体重差が小さいという結果は、減量目的で朝食を追加する判断についての材料です。朝の空腹に応じて食べることや、食事の時間を楽しむことまで否定する結果ではありません。Dhurandhar(2014)が比べたのも朝食についての勧めによる体重変化であり、朝食をとる理由をすべて評価した試験ではありません。

日本の子どもの研究を家族全員の食べ方に使ってよいか

Yaguchi-Tanaka(2021)が調べたのは、幼児期の欠食と成長後の過体重・肥満との関係です。成人が今の朝食を変えたときの減量効果を試した研究とは対象も目的も異なるため、家族全員に同じ結論を広げるのは適切ではありません。子どもの成長を考える食事の判断と、成人の減量目的の判断を分けて扱います。

あわせて読みたい