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定義
補完という用語は、観測できなかった値について仮定を置き、利用できる情報を解析に組み込む方法を指します。単純な平均代入と、複数の補完による不確かさの反映を分けます。真の値を復元したという意味ではありません。
測り方
補完モデルに含める変数、尺度、交互作用、対象の階層、反復測定の構造を指定します。多重補完では各データの推定値と分散を求め、補完内と補完間の変動を組み合わせます。欠測の理由についての仮定と診断も報告します。
判断が変わる六つの場面
平均の代入
仮想例:欠けた得点を全員同じ平均50へ置換した。ばらつきや他の変数との関連が歪む場合がある。分布と単一代入の根拠を確かめます。
複数データ
仮想例:欠けた値に異なる妥当な候補を入れた20組を作った。候補間の推定の違いを不確かさへ含める。補完数と統合規則を確かめます。
範囲の制約
仮想例:0〜10の尺度に補完値12が出た。モデルが尺度の性質へ合っていない可能性がある。上限下限と変数型を確かめます。
分析との整合
仮想例:結果の解析には交互作用を入れるが補完で省いた。補完モデルと解析モデルの不一致が影響する。必要な相互作用と変換を確かめます。
補助情報
仮想例:最終値は欠けているが中間の値がある。欠測や結果を説明する情報として利用を検討できる。測定履歴と補助変数を確かめます。
MNARへの対応
仮想例:欠測者は同じ条件の観測者より悪いと仮定した。ずれを変える感度分析で仮定への依存を調べる。ずれの根拠と範囲を確かめます。
基本の計算と適用条件
結果が欠けた20人へ開始値と中間値から補完する仮想例です。一つの予測値だけを全員へ固定して入れる方法と、条件に沿った複数の候補を生成する方法を分けます。多重補完では例えば20組のデータを作り、各組を同じ解析法で分析します。20組は独立した20倍の参加者ではなく、不明な値の複数の可能性を表しています。
各組で得た推定値を平均し、各組の推定分散の平均と、組の間の推定値の分散を合わせます。補完数mでの標準的な統合では、総分散に補完間分散の(1+1/m)倍を加える形になります。補完値を一つへ平均してから通常の分析を一度だけ行うのとは違います。元の値が不明なことによる変動を、統合でも保つのが目的です。
0〜10点の尺度や二値の結果には、その範囲や型へ対応する補完モデルを検討します。解析で使う交互作用、非線形の変換、施設の階層、時点の構造も考慮します。補完モデルが解析の重要な構造を落としていれば、候補を多数作ることだけでは整合しません。補完後の分布と観測分布を比べ、範囲外や不自然な値がないかを確認します。
補完はMARなどの欠測への仮定を必要とすることがあります。未観測者が同じ条件の観測者より低いというずれを追加し、結論が変わるかを調べる方法もあります。補完数、使用変数、モデル、乱数による変動、診断、感度分析を示します。多重補完という名称だけで、全ての欠測問題が解決したと評価せず、観測過程に対応する方法かを読みます。
この考え方で読める広告
不明な測定値を補って平均改善を算出した広告
仮想例:終了得点が欠けた20人へ、観測80人の平均をすべて代入したとします。平均との差は0となるため、補った部分の散らばりを人工的に小さくします。元の不明な値を回収したわけではなく、平均代入という仮定でデータを作ったことを読む必要があります。
多重補完では補完値を変えた複数のデータを解析し、データ内の不確かさとデータ間の違いを併合します。得点が0〜100なら範囲、二値なら型、時系列なら時間の関係も保持するモデルが必要です。解析に交互作用があるのに補完モデルがそれを表さない場合など、主解析との整合性も問題になります。
広告の補完後の表を読む際は、元の観測数と補完数を別に求めます。解析に使った交互作用や時点の情報が補完モデルにも入っているかを資料で照合します。値の範囲外への補完や、観測値と補完値の分布の不一致を点検した記録も確かめます。
混同しやすい判断を分ける
欠測値
補完方法を決める前に、何が欠け、どの過程で空欄になったかを分類する。 欠測値の解説。
割付に基づく解析
元の群を保持する解析でも、欠測の処理として補完を選ぶかは別の判断になる。 割付に基づく解析の解説。
主要評価項目
補完する主評価の尺度、時点、解析モデルへ整合させる。 主要評価項目の解説。
出典
- BMJ・多重補完の可能性と注意点
- Cochrane Handbook・無作為化試験のバイアス
- Rubin(1976)Inference and missing data:欠測機構と推論
- National Research Council(2010)The Prevention and Treatment of Missing Data in Clinical Trials
よくある質問
補完法とは何ですか
補完法は、欠測した値を指定したモデルや規則に基づく値で置き換える方法です。
多重補完は欠けた真の値を復元しますか
復元の保証ではありません。仮定と観測情報に基づく複数の値で、不明な部分の不確かさを解析へ反映します。
平均代入で人数をそろえてよいですか
単純な人数合わせでは適切な不確かさを保てません。分散や関係を歪める可能性があり、補完の目的とモデルを検討します。